福岡総行動「くらし・いのち・平和憲法を守ろう」

過労死・自殺を防げ

MIC17福岡総行動が2月18日に福岡市で開かれ、九地連をはじめ全国から78人が参加。「報道の自由、国民の知る権利を守る」「特定秘密保護法の廃止」などのシュプレヒコールをあげながら福岡市街をデモ行進し、市民に呼びかけました。

「国民の知る権利を守る」など訴えながら行進する参加者

行進の出発式で、小林基秀・新聞労連委員長があいさつ。「先日、労働基準監督署の現役監督官から新聞業界は長時間労働ではなく超長時間だと言われた。上司の多くは長時間労働を生き抜き、出世してきた人たちだが、それをやり続けると犠牲者が出る。潮目は変わり、長時間労働を前提としたマスコミのビジネスモデルは崩れ始めている。われわれが変わっていかなければならないし、労働組合は一人でも犠牲者を出さないための取り組みが必要。また、テロ等準備罪(共謀罪)を新設する『組織犯罪処罰法改正案』が国会に提出されようとしている。新聞労連としても反対声明を出す準備をしている。特定秘密保護法は政府の情報を覆い隠すためのものだが、共謀罪は盗聴や通信傍受によって市民の情報が丸裸にされる危険性があり、この件についても連帯して取り組んでいきたい」と述べました。

時間外労働で賃金抑制、「やりがい搾取」を許すな

行進に続き、九州社会医学研究所の舟越光彦氏が「長時間労働の問題点~電通過労自殺事案から見えてくるもの」と題し講演。「長時間労働問題は、死ななければいいのかという問題だけではない。その人らしく人生を送るのに長時間労働がどう影響するのかが一番大事な問題。人の一日の時間は共通で、睡眠や自分の時間が短くなり、充実した時間を過ごせないことはその人にとって不幸なこと。夜勤をする人はホルモンに変調をきたし、男性は前立腺がん、女性は乳がんのリスクが増える」などと長時間労働が与える身体への悪影響を説明しました。

長時間労働の問題点を学んだ講演会

電通の1991年の過労自殺事案について「(2015年に過労自殺した)高橋まつりさんの件と共通しており、長時間労働だけではなくイジメの問題がとても大きい。この事案の裁判から『過労自殺』という概念が社会的にクローズアップされ、1999年に精神疾患による過労自殺の認定基準が作成された。不幸な事案を契機に闘う人が道を切り開いて、多くの労働者の労働条件が改善されてきた。高橋さんの事案も著しい長時間労働と精神疾患が要因」と述べました。医学的なデータからは、脳卒中やうつ病は長時間労働の影響を受けやすいこと、同じ長時間労働でも労働環境や雇用条件の違いがあることで、正規の労働者より非正規の労働者の方がより健康状態が悪いことが示され、仕事の環境とストレス、失業不安などを社会的に解決することが必要だと報告されました。次々と川から流されてくる人がいることを例に、次々に助けることで精いっぱいになるが、同時になぜ上流から流れてくるのか、溺れる要因は何かを考えることが大事で、根本的に取り組んでいかなければ問題は解決しないと提言しました。
舟越氏は「仕事に対する充実感や自己実現などを強く意識させられ、時間外でも自ら仕事をすることで結果的に賃金抑制につなげられている『やりがい搾取』という言葉があり、長時間労働のうえ精神的な負担となる」とし、搾取されている自覚を持ってほしいと強調。「個人の尊厳を守っていくこと、職場に社会正義が貫かれること、長時間労働を防いでいくことが一番大事。この実現が労働組合の役割で、労働者の健康を守り、過労死と過労自殺をなくすことにつながる」と具体的な対策を示しながら講演を結びました。
講演後には、宮古毎日労組の砂川智江さんが争議報告し、全国的な支援への感謝と共闘を呼びかけました。JAL不当解雇撤回争議団の報告の後、昨年4月に発生した熊本地震の復興の後押しはメディアが果たすべき役割であることを確認し、労働者の暮らしと権利を守り、戦争の悲劇を繰り返さない運動に取り組むとしたアピール文を採択し、閉会しました。

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