佐賀で市民対話集会

地方紙の災害報道学ぶ

佐賀新聞労組主催の市民対話集会「地方紙の使命を考える~災害とどう向き合うか」が7月8日、佐賀市の佐賀新聞社で開かれました。前日、九州北部豪雨が発生し多数の死傷者が出るなど大きな被害が出た中、九地連から役員や常任委員が参加。熊本日日新聞の記者らが熊本地震での体験や課題を紹介し、災害発生時における地方紙の役割について意見を交わしました。

市民対話集会は、松本サリン事件などで報道機関への信頼が揺らいでいた1996年に始まり今年で20年目。佐賀新聞労組の江島貴之委員長は「ここ数日の豪雨で今も苦しんでいる人がいる。あらためて災害というものがいつどこで起きるか分からないということを痛感した。隣人、仲間に寄り添って共感し、手を差しのべるという在り方は労組としても学ぶべきものがある」とあいさつしました。

はじめに、熊本日日新聞の福井一基記者が熊本地震での体験と反省について基調報告。福井記者は「当初、取材は混乱をきわめた。ゴールがないマラソンを走り続けていくような感覚だったが、『被災地のことは私たちが一番分かっている』という気持ちは皆持っていた」と振り返りました。集団移転の議論に揺れ続けた西原村での取材経験を紹介し、「地震からの復興は住民一人ひとりの心情を無視してはなしえない。被災者の声にじっくり耳を傾けて答えが出てくるのを待つことも必要。現実を受け止めてありのままに提示することも大事だと考えた」などと話しました。

パネルディスカッションでは、西原村の内田安弘副村長と佐賀新聞の青木宏文記者も交え、災害時の地方紙の使命について議論。内田副村長は「自治体が職員を派遣するのと同様に、地方紙同士も記者を派遣し合ってはどうか」と提案。ほかに、「新聞報道の中で、被害が大きいところだけが情報が流れ、(扱われない)小さなところは疎外感があった。地方紙は俯瞰(ふかん)的、客観的に知らせる方法があったのではないか」「熊日のライフライン情報は一覧性があり、よく読まれたが、情報は日に何度も変わったのでどう対応するか」など今後の課題も提起されました。

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