北九州で九州・沖縄地連春闘討論集会

  2012九州・沖縄地連春闘討論集会が19日、北九州市の毎日西部会館であり、京都新聞COM訴訟を闘った京都労組の日比野敏陽元委員長、八重山教科書問題に取り組む沖縄タイムス労組の黒島美奈子委員長、不当労働行為を訴える宮古毎日新聞労組の恩川順治委員長が登壇しました。講演の要旨は以下の通りです。

【京都労組の日比野敏陽元委員長】

 

 京都新聞COMに出向していた組合員が08年6月ごろ、京都労組に、COMの契約社員7人全員が翌年で雇い止めになると相談してきた。京都労組はそれまで穏やかな組合だったが、この首切りはいかんと思った。7人のうち2人は京都新聞の別のグループ会社で働いていたが、会社側の勧めで06年にCOMに転籍した。この時、雇い止めになるという説明は受けていなかった。3年で首になると分かっていたら誰も転籍などしない。だまし討ちだ。

 京都新聞社は05年に広告・営業・総務部門をCOMに、印刷部門を京都新聞印刷に分社化。両者とも新設の100%子会社だ。京都労組はこの時に組合員資格を「京都新聞の題字の下に働くすべての人」と改定しており、COMの契約7人のうち2人が組合に加入し、闘うことになった。京都新聞は08年の元日社説で雇用の重要性を訴えていた。さらに同年のリーマンショックで雇い止めは社会問題化していた。新聞社の言っていることとやっていることが違っていていいのか。典型的な企業内組合だった京都労組だが、非正規社員から「こんなことはおかしいと思う。闘いたい」と訴えられて、黙ってはいられなかった。やらなければいけない時というのが、メディアの組合には必ずある。

 京都労組にも組合の必要性を疑問視している若手社員は多かったが、この争議を通じて求心力は高まった。団交に出席して激しいやり取りを目にし、形だけの交渉でない事を知った組合員もいた。さらに闘いの中で地域の団体との共闘の大切さを知った。新聞労組は他団体とのつながりが薄いが、地域にはたくさんの仲間がいる。業界にとどまらないこと、正社員だけで固まらないこと、組合を開いていくことの必要性を痛感した闘いだった。

【沖縄タイムス労組の黒島美奈子委員長】

 八重山の教科書問題は、初めに現場教員が推薦する手順が変更されたのが発端だった。育鵬社版は他社と比べて太平洋戦争がアジア開放につながった部分があると主張したり米軍基地問題に触れていなかったり、何より表紙の日本地図で沖縄の部分が遮られている。史実を歪めて戦争につながるような教育が懸念される。手順変更は石垣市に生まれた保守系市長が登用した教育長が自作した「市民提案」から議論が始まった。組織的、政治的な動きだった。

 前防衛局長の「犯す前に言う」発言といい、元米日本部長の「ゆすりの名人」発言といい、なぜこのような発言が出るのか。日本は平和に慣れて戦争の教訓を少しずつ忘れてきてしまっている。気付いたころには手遅れになってしまう。新聞社はこうしたささいな変化に鈍感になっていないか。労組も同じだ。橋下氏の労組批判に市民の賛同が集まっているのは、格差が拡大する中で非正規に目を向けない労組の体質が攻撃を許していると思う。自分たちを守るためにも、みんなが安心して暮らせる社会を作るためにも、他者に思いを馳せていかなければいけない。

【宮古毎日新聞労組の恩川順治委員長】

 宮古毎日労組を取り巻く状況は全く変わっていない。差別されているというのは本当につらい。非正規社員の場合は何年も据え置かれ、周りがどんどん社員になっていく。組合員であるがゆえに将来展望が見えない。組合活動をするから自由が侵されるというのは、たまったものではない。会社の狙いは正にそれだ。嫌がらせをすれば組合活動が弱体化すると考えている。

つらいのはそれだけではない。読者の人と話をしていると、宮古毎日新聞が最近面白くなくなったと言われる。いい記事を書く人ではなく、会長にとって使い勝手のいい人が重用されていくのだから当然だ。読者にはすぐには分からないかもしれないが、紙面は確実に劣化している。

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