宮崎で人間らしく働くための九州セミナー

「子どもの貧困問題」「大災害の中で働く人々の健康」をテーマに、「第22回人間らしく働くための九州セミナー」が11月5~6日、宮崎市の宮崎市民プラザで開催され、二日間で約600人の方が参加しました。初日は、千葉明徳短大の山野良一教授が「この国の貧困と子どもたちの未来」という演題で記念講演を行いました。子ども虐待と貧困について、貧困の構造や虐待が行われた家庭の状況など、様々な調査データを示しながら、ネグレクト、不健康、親の長時間労働等が絡んでいると指摘。そうした親の社会的背景に「人生の早期から育成されたもの。親のヒストリーも考えなければならない」「1985年以降貧困率が上昇している、親たちの非正規労働の増加に起因しているものと思われる」と述べられました。また、不況による親の収入減で学費を滞納し、卒業資格を得られない「卒業クライシス」についても紹介。教育費の負担が諸外国と比べて高く、また奨学金が高利子であることなども説明されました。子どもの貧困を解消するには社会投資的視点が必要と主張。「問題の解決が社会にとってどのようにプラスになるかの合意形成を図り、私たち全体で考えていかなくてはいけないと」と訴えました。引き続き行われたパネルディスカッションでは「子どもの貧困からみえる大人の働き方」をテーマに論議。パネリストからは「不安定で低賃金のワーキングプアの増加や長時間労働により子どもと接触できない時間が増えることで、障害行動を起こすことも。これを防ぐには、ワークライフバランスと収入を確保し、同時にゆとりを持って家庭的責任を担う環境づくりを進めるべき」と提言されました。

2日目はメンタルヘルスや過労死など8つのテーマに分かれた分科会と「大災害の中で働く人々の健康をどの様に守るか」というテーマのパネルディスカッションが行われました。宮崎日日新聞報道部次長の吉岡智子氏は新燃岳の爆発的噴火の取材について「予測不能で、経験がまったくない災害だが、雲仙普賢岳で得た苦い教訓だけは生かさなければならない。読者に届ける記事・写真に満足(取材者が)できなくても、わが社からは犠牲者は出さない。そのためには他社に抜かれても構わない」それが編集局長以下の総意として報告がありました。

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