MICフォーラムに全国から120人 戦争責任、メディアの役割考える

「核のない世界を! 2011MIC長崎フォーラム」が8月8、9の両日、長崎市内であり、参加者が核廃絶や戦争責任、原発の問題を考え、その上でメディアが果たす役割など、多面的なテーマについて理解を深め合いました。

 この催しは、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と長崎マスコミ・文化共闘会議が交互に主催し、毎年長崎で行っており、長崎市民や九州地連、新聞労連の仲間も合わせ、合計120人が参加しました。

 8日のフォーラムでは、開会あいさつで、MIC議長を務める東海林智新聞労連委員長が「福島第1原発事故を機に、核の平和利用に真剣に向き合ってきたのか、『原発は効率的』という言葉に無抵抗ではなかったのか問われている。原発を含む核をめぐる責任に正面から向き合いたい」と述べました。

 基調講演では、長崎で韓国・朝鮮人被爆者の実態調査などに取り組み続ける長崎大名誉教授の高實康稔氏が「未解決の戦争責任とメディア」と題して発言。いまだ果たされていない戦争責任の具体例として、日本人優先の援護政策に偏っている韓国・朝鮮人被爆者問題をはじめ、従軍慰安婦や南京大虐殺否定論の横行、731部隊の戦争犯罪の未認定、また中国人強制連行に対する国と企業の責任などを論理的に紹介。その上でメディアの役割として「戦争責任問題克服の自覚と良識に語りかける世論喚起や、語りにくい加害責任を語る意識と工夫を続けてほしい」と訴えました。

 続くパネルディスカッションでは「いま、長崎から戦争責任を考える」のテーマで、専修大教授の藤森研氏をコーディネーターに、フリージャーナリストの繁沢敦子氏、高實氏、長崎新聞生活文化部長の石田謙二氏が登壇。戦争責任について繁沢氏は「被害と加害の問題を論議する難しさは、それが因果応報の理論につながってしまう恐れがある」と前置きしながら、「歴史的な事実の積み重ねを行い、加害行為について認めるべきは認め、謝るべきは謝りながら、理解を求めていくしかない」と強調。石田氏は「アジアの人たちの〝過去の清算〟を求める声を聞き、被害者の痛みを知った。知ったことを記事にする努力こそが、自分の住む国を加害者にしないと考えている」と発言。メディアについては「『客観報道』と言うが、記事を書く上で必ず主観は入る。だからこそメディア・リテラシー(情報を評価・識別する能力)が必要ではないか」と提言。また大震災に伴う原発報道について「放射線と放射能の違いをきちんと整理できずに報道しているメディアが散見される。そうしたとき、日本は本当の被爆国ではないのではないか、との思いをぬぐえない」と苦言を呈しました。

 フォーラムでは朝鮮人被爆者の徐正雨さんの証言ビデオ上映や、長崎で被爆した奥村アヤ子さんの証言もありました。最後に「たとえ平和利用であっても、『核と人類は共存できない』。今日の議論を、核兵器廃絶と原子力発電に依存しない社会へ向けた新たな一歩とすることを誓う」などとする2011長崎アピールを採択しました。

 9日の2日目は平和散歩がありました。雨の中、長崎新聞労組平和委員会の案内で爆心地周辺の被爆遺構をめぐり、午前11時2分、原爆落下中心地碑前で黙とう、その後解団式を行いました。

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